UI_View32 Messages2013年07月01日 20時24分

UI_View32 は基本的に地上APRS運用に特化したソフトなので、これを衛星通信に
応用する前に、APRSの概念および UI_View32ソフトそのものを理解しておく必要
があります。下に 参考URLと参考書籍を紹介しておきました。ここでは先の記事
の中で、特に送信に関わる (8)UI_View32->Messages画面について補足をします。

[画面上段のタブ]

  ALL: 送受信されている全てのメッセージ(他局を含む)を表示する。
  Mine:自局宛および自局が発信したメッセージだけを表示する。
  BLN: APRS Bulletin として発信されたものを表示する。
  NWS: APRS News として発信されたものを表示する。

[画面中段の履歴欄]

  Y: 宛先局からの ACK を受信(宛先局がメッセージを受信するとACKを返す)
     した時に、Y (Yes)と表示される。(ACK: Acknowledged, 承認 受領)
  N: リトライ完了後(後述)も宛先局からの ACK が受信できなかった時に、
     N (No)と表示される。(数字はメッセージの通し番号。100でクリア。)
     N表示のメッセージをダブルクリックすると再送信が可能。
  H: 宛先局へ送信しようとした以前のメッセージがまだ送信完了していない
     ため、送信しようとした今のメッセージが保留(待機)状態になった時に、
     H (Hold)と表示される。

[画面下段のメッセージ送信欄]

  To: 宛先局のコールサインを記入する。(ここで ALL, SAT 等は無意味か?)
  Port: メッセージを送るポートを指定する。APRS地上サーバー直接接続の
        場合は I (1ではない)とする。I とした場合は、Digi欄は入力不可
        になるので、衛星通信の場合は 1 を入力する。
  Digi: 衛星デジピータコールサインを入力する。(ISS の場合は RS0ISS-4)
        Digi欄をダブルクリックするか、Ctrl+D とすると、
        Main Screen -> Setup -> Station Setup で設定したデフォルトの
        デジパスが設定される。
  Text: この欄にメッセージを記述して、Enterキーを押すと送信される。
        APRSフォーマットでは最大67文字。画面右下の TH-D7欄にチェック
        すると最大45文字に制限される。
  Name: To欄の局のハンドル名を入力すると、次回からName欄にも反映して
        ハンドル名が表示される。衛星通信には必要ないか。

[Messages->Setup]

  自局が送信したメッセージに対して宛先局からの ACK が受信されなかった
  場合の再送信に関する設定をここで行う。先の記事の図(7)を参照。

  Retry interval: 再送信の間隔秒数。
  Try x times: 再送信の回数。
               再送信回数まで試みても ACK が受信できなかった場合は、
               このメッセージ送信は失敗したと見なされ、画面中断の
               履歴Status欄は N の表示になる。衛星通信では 1 を推奨。
  Retry on heard: チェックすると、メッセージ送信に失敗した場合でも
               その宛先局の信号を受信した時に、再送信を行う。
  Expire after x mins: Retry on heard欄がチェックされている時のみ有効。
               設定した時間が経過すると、Retry on heard機能無効になる。

[参考URL,書籍]
  http://aprs.xii.jp/aprs/uiviewtop.html
  http://www.cqpub.co.jp/hanbai/books/14/14951.htm
  http://www.asahi-net.or.jp/~ei7m-wkt/numbr526.htm

Re: WE_WISH SSTV 解析結果2013年07月01日 22時52分

私もついぞ知りませんでした。JA0CAW局が報告している WE_WISH SSTV 解析結果
を、探しに探してついに見つけました。JAXA産業連携センターの中にありました。
他にも衛星関係・宇宙産業などの興味ある話題が満載です。

http://aerospacebiz.jaxa.jp/jp/topics/2013/topics130415.html
http://aerospacebiz.jaxa.jp/jp/topics/data/130415_6.pdf
http://www.asahi-net.or.jp/~ei7m-wkt/wishsstj.htm
http://www.ne.jp/asahi/hamradio/je9pel/wishsste.htm

JAXA 相乗り小型衛星2013年07月02日 20時00分

JAXA産業連携センターのサイトに、今まで JAXA により打上げられた小型衛星と
これから GPM, ALOS-2衛星と共に相乗りする小型衛星についてコンパクトに紹介
されています。
http://aerospacebiz.jaxa.jp/jp/ainori/results.html
http://www.asahi-net.or.jp/~ei7m-wkt/numbr728.htm
http://www.asahi-net.or.jp/~ei7m-wkt/numbr743.htm

元期 簡易計算法 #12013年07月02日 23時47分

FITSAT-1(NIWAKA)
1 38853U 98067CP  13181.98190682  .02715420  11811-4  15008-2 0  2990
2 38853  51.6286   7.6320 0012559 281.0769  78.8836 16.18546131 42226

元期通日 13181.98190682 について考えてみます。

まず 元期 1.*** は 1月1日+0.***日、31.*** は 1月31日+0.***日、そして平年
の 59.*** は2月28日+0.***日、・・・、平年は 6月30日までで181日経過してい
るので、元期 181.*** は 6月30日+0.***日となります。

上記の FITSAT-1(NIWAKA) の TLE元期 0.98190682=23時33分57秒(後述) なので
元期 13181.98190682 は、結局 2013年6月30日+0.98190682日、つまり6月30日の
23時33分57秒UTC、日本時間で 7月1日午前8時33分57秒となります。

[簡易計算法]
                                                  +----------------+
この元期通日 181.98190682 を解析してみます。      |  1月     (閏年)|
小数点より上が その年の日数なので、181 より       |  2月  31 ( 31) |
小さい整数値(180以下の数)を右表から選びます。     |  3月  59 ( 60) |
すなわち 151 であり 6月となります。181 から       |  4月  90 ( 91) |
151 を引くと 30 となります。つまり、6月30日       |  5月 120 (121) |
となります。 小数点以下の数値に、次のように       |  6月 151 (152) |
時間の定数をかけると、時分秒が計算できます。      |  7月 181 (182) |
                                                  |  8月 212 (213) |
  0.98190682 x 24 = 23.56576368 ... 23時          |  9月 243 (244) |
  0.56576368 x 60 = 33.94582080 ... 33分          | 10月 273 (274) |
  0.94582080 x 60 = 56.74924800 ... 57秒          | 11月 304 (305) |
                                                  | 12月 334 (335) |
この3行の面倒な掛け算のところを、JE1CVL局は       +----------------+
Excel を使って次のように簡単に求めています。

> 0.98190682 を Excel のセルに入れて、セルの書式で 「時刻」 を選択する。
つまり、セル右クリック → セルの書式設定 → 「時刻」 → OK → 23:33:57

ISS SSTV active2013年07月03日 00時05分

という情報あり。145.800MHz FM

元期 簡易計算法 #22013年07月03日 17時58分

天体や衛星の軌道力学を研究する際、ユリウス日を計算する場面が多くあります。
ユリウス日の起算日は、BC(紀元前)4713年1月1日正午(世界時)です。ユリウスは
紀元前100年頃のローマ皇帝として有名なシーザーです。 BC5000年~BC4000年と
いえば日本では縄文文明、アジアでは黄河文明、そしてエジプト文明、インダス
文明等の古代文明が栄えた時期です。ユリウス暦という直接にはユリウス日とは
関係がない暦の概念もあります。ちなみに、現在私たちが使っているのは太陽暦
(グレゴリオ暦)です。 「天文年鑑(誠文堂新光社)」 や 「理科年表(丸善出版)」 に
これらのことが簡潔に解説されています。

ユリウス日(Julian Day) の起算時点は、BC(紀元前)4713年1月1日12:00UTC です。
本日 2013年7月3日0時UTC のユリウス日を関係のWebで調べると、2,456,476.5日
となりました。現在ではユリウス日(JD)の数値が大きすぎるので、ユリウス日か
ら 2400000.5日を引いた準ユリウス日 (Modified Julian Day, MJD) を使うこと
があります。つまり準ユリウス日(MJD)とユリウス日(JD)の関係は 次のようにな
ります。 MJD=JD-2400000.5  準ユリウス日の起算時点 0.0日は、1858年11月
17日0:00UTC です。つまり本日(7/3)の準ユリウス日は、56,476.0日となります。

ところで昨日、衛星TLE元期通日 「13181.98190682」 の時刻の部分 「0.98190682」
を、Excelセル書式設定で簡単に変換する JE1CVL局による方法を紹介しました。
「13181」 の部分 「13」 は 2013年の下二桁を表しています。日付の部分 「181」 を
Excelセル書式設定で簡単に変換する方法を、私 JE9PEL/1 が以下に紹介します。

「181」 をセルに入力して単に 右クリック→セルの書式設定 → 「日付」 としても
「1900/6/29」 と表示されるだけです。これは Excelのセル日付表示(シリアル値)
が、1900年 1月1日を起点として、この日を 「1」 としているからです。ではなぜ
6月30日ではないのでしょうか。それは 1900年は閏(うるう)年で、2月が1日多い
ので、1900年の181日目がちょうど 6月29日だからなのです。 つまり、1900年の
6月30日は、1月1日から数えてちょうど 182日目にあたるということになります。

では、2013年6月30日のシリアル値を求めてみます。セルに 「2013/6/30」 と入力
してから 右クリック → セルの書式設定 → 「標準」 とすると、「41455」 と出ま
す。この 「41455」 が 2013年6月30日のシリアル値です。 2013年は閏年ではなく
平年なので、41455-181=41274 が、2012年12月31日のシリアル値となります。
つまり 2013年1月1日のシリアル値は 41275、2013年の181日目の 6月30日のシリ
アル値は 41455 など、元期通日の日付に常に 「41274」 を足し算した数値をセル
の書式設定 → 「日付」 として変換すれば、2013年の年月日に正しく表示される
ということになります。

具体的には、Excel の数式を使用すると 簡単にこの変換をすることができます。
A1セルに元期通日の日付を入力し、B1セルに変換後の日付表示をさせたい時には
あらかじめ B1セルに 「=A1+41274」 と埋め込んで、 セルの書式設定 → 「日付」 
としておけば、A1セルに数値を入力するたびに、B1セルに瞬時に2013年の年月日
が表示されます。

     

参照 http://www.asahi-net.or.jp/~ei7m-wkt/numbr712.htm

元期 簡易計算法 #32013年07月03日 19時29分

さらに Excel の数式を駆使して、上図を実現しました。

  A1 ... 衛星TLE の元期通日
         右クリ→セルの書式設定→数値→小数点以下の桁数,8桁
  B1 ... 小数点の左端からの位置(左から何番目)
         =FIND(".",A1)
  C1 ... 元期の年日(小数点より左側)を抽出
         =LEFT(A1,FIND(".",A1)-1)
  D1 ... 元期の時刻(小数点より右側)を抽出
         =MID(A1,FIND(".",A1)+1,LEN(A1))/100000000
  E1 ... 年数を表示 (文字列を合体)
         ="20"&LEFT(C1,2)&"年"
  F1 ... 月日を表示 (先の記事#2参照)
         =RIGHT(C1,3)+41274
  G1 ... 時刻を表示 (右クリ→書式設定→時刻,種類選択)
         =D1

Re: ISS SSTV active2013年07月04日 19時12分



ロシアおよびEU上空のみの運用のようです。
次図は、すべてDK3WN局Blog に帰属します。
それにしても、各画像にノイズが全くない!

     

FITSAT-1 decayed!2013年07月04日 19時26分

4 Jul 2013, 12:07-13:38JST の間に 「大気圏再突入した模様」 という情報です。
軌道計算ソフトCalsat32 が FITSAT-1 で動作しなくなりました。10cm^3 の衛星
では CW の他に、5.84GHz, LED と大胆な発想で 私たちをいろいろと楽しませて
いただきました。ありがとうございました。

Subject: [amsat-bb] FITSAT-1 (NIWAKA) became a shooting star
From: tanaka, JA6AVG
Date: Thu, 04 Jul 2013 16:56:27 +0900

Dear Ham friends,

FITSAT-1 has decayed on 4th July 2013.
The last signal was received by JA0CAW at 03:07(UT).

I appreciate all hams who joined our experiments,
helped our operations, and sent me many reports.

I could make many friends in the world and enjoyed
through FITSAT-1. Though FITSAT-1 became a shooting
star, I am very happy now.
Thank you very much again all Ham friends.

Very Best 73,
de Takushi
--
Takushi Tanaka, JA6AVG
FITSAT-project
Fukuoka Institute of Technology

元期 簡易計算法 #42013年07月04日 21時00分

先の記事を一部訂正します。1900年は閏(うるう)年ではありません!

> グレゴリオ暦法では、閏年を次のように決めている。
> 1. 西暦年号が4で割り切れる年を閏年とする。
> 2. 例外として、西暦年号が100で割り切れ400で割り切れない年は平年とする。
> 3. よって、1900年は閏年ではない。
> http://www.nao.ac.jp/faq/a0306.html       (国立天文台)
> http://support.microsoft.com/kb/214019/ja (Microsoft)
> http://support.microsoft.com/kb/214058/ja (Microsoft)
> http://support.microsoft.com/kb/JP106339  (Microsoft)

しかし、Excel のシリアル値は、次図のように 1900/2/29 が存在しています!
つまり、「元期 簡易計算法 #1~#3」 で述べてきた内容には影響がありません!
これは Excel のバグでしょうか?