NASA スマートフォン小型衛星 PhoneSat2013年03月24日 18時31分

4月に打上げられる衛星として、次を追加します。
Phonesat の生存期間は 約1週間とされています。

4月16日 PhoneSat 1a,1b,1c および Dove-1

Satellite           Downlink   Mode
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PhoneSat 1a,1b,1c   437.425    AFSK AX25 packet
Dove-1              ?          ?
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Phonesat衛星については、NASA の記事を下に翻訳しておきました。
Dove衛星も、Phonesatと同様に市販既製のコンポーネントから作製された低コスト
のバスの基本的な機能をテストするための技術実証衛星で、その構体は小さなペイ
ロードを提供し、迅速かつ安価に衛星を設計・生産・運用する能力を実証します。


PhoneSat 飛行実証
NASA スマートフォン小型衛星


PhoneSat 1.0 design  PhoneSat  PhoneSat

PhoneSat  PhoneSat  PhoneSat
(C)NASA


NASA の PhoneSatプロジェクトは、どこでも購入できる消費者向けスマートフォン
を使って、これまで宇宙に飛ばしてきた衛星で最も低コストかつ簡単に飛ばす衛星
を開発することができることを実証しようとしています。

米国カリフォルニア・モフェット州にあるエイムズ研究センター機構で働く NASA_
PhoneSat のエンジニアの小さなチームは、速く衛星アーキテクチャを進化させて、
小型衛星に、"より早く より頻繁に" というシリコンバレーのアプローチを取り入
れることを目指しています。

これを達成するために NASA の PhoneSat は、手を加えていない消費者向けスマー
トフォンを含む市販の既製コンポーネントを、そのまま使用するというデザインを
持っています。箱から出したばかりのスマートフォンはすでに、高速プロセッサ、
多目的なオペレーティングシステム、複数の小型センサー、高解像度カメラ、GPS_
受信機、およびいくつかの無線機を含む衛星システムに必要な機能を豊富に提供し
ます。

NASAエンジニアは、市販既製のハードウェアを使用して、最初のフライトのための
デザインとミッションの目標を最小限に維持することによって、PhoneSatプロジェ
クトの 3つのプロトタイプの各衛星を作製するためのコンポーネントの総コストを
3,500ドルに維持しました。

NASA PhoneSat エンジニアはまた、ミッションを早くプロトタイピングして、既存
の市販技術とハードウェアを組み込むことによる方法に変えています。このアプロ
ーチは、カスタム・デザイン技術のやり方に設定された要求を満たそうとするより
はむしろ、エンジニアが市販テクノロジーがどんな能力を提供することができるの
かを確認できます。エンジニアは衛星全体の機能を早くアップグレードし、Phone_
Sats のそれぞれの将来の世代に新しい機能を付加することができます。

それぞれの NASA PhoneSat 小型衛星は、サイズが 1U の標準CubeSat で、4ポンド
以下の重さです。一つの CubeSat は約4インチ(10センチ)の立方体の小型化された
衛星です。


PhoneSat 1.0
[低コスト民生用電子機器の宇宙における飛行]

PhoneSat 1.0 として知られている NASA のプロトタイプ・スマートフォン衛星は、
Google Android オペレーティングシステムの HTC社製 Nexus One スマートフォン
により作製されています。Nexus One は衛星搭載コンピュータとして機能します。
スマートフォンのカメラは、地球観測のために使用されますが、センサーは衛星の
向きを決定します。市販既製パーツはシステムを監視し、衛星が無線信号の送信を
停止した場合、スマートフォンを再起動する監視回路を備えています。

NASA PhoneSat 1.0 衛星は、衛星の健康状態についての情報を送信しながら、その
カメラを経由して地球と宇宙のデジタル映像を送信し、ゴールまでの短期間に空間
で生き続けられるよう、基本的なミッションを持っています。

このようなミッションを準備するために、NASAは様々な極限環境で、熱真空チャン
バー、振動や衝撃のテーブル、副軌道ロケット飛行や高高度気球などの PhoneSat_
1.0 の実験を成功裏に行いました。


PhoneSat 2.0
[付加特性と、より多くの機能]

NASA PhoneSat 2.0 は、速いコアプロセッサ、アビオニクス、ジャイロスコープを
提供している Google Android オペレーティングシステムのサムスン電子製の新し
い Nexus S スマートフォンを装備します。

PhoneSat 2.0 はまた、エンジニアに地球から衛星を制御させるための双方向 S-帯
無線機、より長期間のミッションの有効な太陽電池パネルおよび GPS受信機を付加
することによって、PhoneSat 1.0 の機能を補充します。さらに PhoneSat 2.0 は、
地球の磁場と相互作用するマグネトルカ・コイルと、宇宙で衛星の向きを能動的に
制御するリアクションホイールを付加します。


PhoneSat の将来

NASA PhoneSat 2.0 は、画期的な技術を進め、将来の小型衛星のコストを削減しな
がら新機能のための基礎を築くでしょう。

NASA の PhoneSat 2.0 アーキテクチャを構築することで、ミッションの設計者は、
より手頃な価格で将来のミッションの次の事項を達成することができます:

> Heliophysicsミッションを実施するために分散型センサを使用

(訳注,太陽物理学)
"Heliophysics" is the name of one of four divisions within NASA's Science
Mission Directorate (Earth Science, Planetary Science, Heliophysics, and
Astrophysics. The word was used to simplify the name of the "Sun--Solar-
System Connections" Division (and before that, the "Sun-Earth Connections"
Division). There is some controversy behind the naming of this division:
the prefix "helio" (Attic Greek: helios) means sun; the term "Heliophysics"
literally means "Physics of the Sun", which, therefore, does not adequately
describe the majority of the science that is conducted within NASA's
Heliophysics division. NASA adopts terminology in many ways.

2013年に打ち上げが期待される小型衛星技術プログラムの NASA の小型衛星ネット
ワークミッション分野の今後の Edison Demonstration(訳不明,エジソン実証実験)
は、小型衛星を使って heliophysics測定を実施する可能性が実証されるでしょう。

> 宇宙飛行のための新技術やコンポーネントの適格化
> 低コストの地球観測を実施
> 月および月以遠の探査

NASA PhoneSats systems (two PhoneSat 1.0's and one PhoneSat 2.0) の三つ は
2013年初頭に、バージニア州ワロップス島の NASA ワロップス飛行施設から、オー
ビタル・サイエンス社のアンタレスロケットの初飛行で打ち上げられる計画です。

PhoneSat プロジェクトは、主要な科学技術者のオフィス (Office of the Chief_
Technologist) によって管理されている、NASA宇宙技術プログラムにより資金供給
されている小型衛星技術実証ミッションです。

宇宙技術プログラムは、科学的でロボット的でそして地球低軌道以遠の人間の探査
に広く適用可能なテクノロジーの要点を熟成させます。そして我が国の探査と科学
の目標に対処することを要求される短期間のミッションと長期間の変則的な技術の
両方を含む機関の技術力を確実にします。さらに NASAセンター、中小企業、学界、
工業、他の政府機関、国際的パートナーを連携することによって、開発費を削減し
NASAミッションのためのリスクを低減させることにより、革新的な概念と可能性が
進歩します。

[原文]
http://www.nasa.gov/directorates/spacetech/small_spacecraft/phonesat.html