FO-29 周波数変動と衛星温度の推定 #12009年07月01日 22時13分

FO29's Frequency Variability and Spacecraft Temperature
by James A. DeYoung, N8OQ (ex KG4QWC), n8oq@arrl.net
The AMSAT Journal March/April 2009, http://www.amsat.org/

2007年4月20日、FO-29 (別名 JAS-2, 24278, 1996-046B) は、SV1BSX 局により
ヨーロッパ上空で聞こえなくなったことがわかった[1]。 私は、2007年4月19日
にテレメトリを捕捉し その値に何も異常がないことを記した[2]。 それ以前の
2004年4月8日に 最初にN7EQF局が FO-29 が聞こえなくなったと記述し報告した
AMSAT-BB記録付託のあとがきの最後に、私もまた記述した[3]。FO-29 が聞こえ
なくなった というこの両方の明らかな原因は、バッテリー容量が減少したとい
うことと 日照期間のフルバッテリー充電を妨げる長い蝕期間にあった。このこ
とは 蝕期間の全残量パワーを供給する電源システムが働かなかったことによる。
私は、2006年7月、FO-29 V/U ループバック周波数の調整値を測定することを始
めた。その後、2007年1月にビーコン周波数の測定を始めた。両方とも周波数の
ゆっくりとした変動が観測された。AO-7 の観測と報告がされたのと同様に、蝕
期間に関係している温度変動が現れた。AO-7 に関するハードウェアの詳しい基
本的情報と測定の記事が以前に公開されている[4]。 これで FO-29 の温度変動
は、局部発振器(local-oscillator, LO) の周波数安定度に影響を与え、そして
管制局が測定した周波数を衛星の平均温度に関連付ける可能性が生じた という
理論を断定できた。この記事は、N8OQ局が測定した送受信(V/U)トランスポンダ
ループバック周波数変動が平均衛星モデル温度と関連している という結果を示
している。さらに、衛星モデル温度を平均化するための 70cm絶対ビーコン周波
数変動が明らかになるだろう。関連しているループバック周波数の変動 あるい
は絶対ビーコン周波数変動を測定することによって 簡単に衛星温度と結びつく。
これらの関係は、テレメトリビーコンの値が "bad" の時であっても、あるいは
ビーコン/テレメトリのシステムがオフでも、衛星温度を得ることに使える。
                                 (続く)