元期 簡易計算法 #22013年07月03日 17時58分

天体や衛星の軌道力学を研究する際、ユリウス日を計算する場面が多くあります。
ユリウス日の起算日は、BC(紀元前)4713年1月1日正午(世界時)です。ユリウスは
紀元前100年頃のローマ皇帝として有名なシーザーです。 BC5000年~BC4000年と
いえば日本では縄文文明、アジアでは黄河文明、そしてエジプト文明、インダス
文明等の古代文明が栄えた時期です。ユリウス暦という直接にはユリウス日とは
関係がない暦の概念もあります。ちなみに、現在私たちが使っているのは太陽暦
(グレゴリオ暦)です。 「天文年鑑(誠文堂新光社)」 や 「理科年表(丸善出版)」 に
これらのことが簡潔に解説されています。

ユリウス日(Julian Day) の起算時点は、BC(紀元前)4713年1月1日12:00UTC です。
本日 2013年7月3日0時UTC のユリウス日を関係のWebで調べると、2,456,476.5日
となりました。現在ではユリウス日(JD)の数値が大きすぎるので、ユリウス日か
ら 2400000.5日を引いた準ユリウス日 (Modified Julian Day, MJD) を使うこと
があります。つまり準ユリウス日(MJD)とユリウス日(JD)の関係は 次のようにな
ります。 MJD=JD-2400000.5  準ユリウス日の起算時点 0.0日は、1858年11月
17日0:00UTC です。つまり本日(7/3)の準ユリウス日は、56,476.0日となります。

ところで昨日、衛星TLE元期通日 「13181.98190682」 の時刻の部分 「0.98190682」
を、Excelセル書式設定で簡単に変換する JE1CVL局による方法を紹介しました。
「13181」 の部分 「13」 は 2013年の下二桁を表しています。日付の部分 「181」 を
Excelセル書式設定で簡単に変換する方法を、私 JE9PEL/1 が以下に紹介します。

「181」 をセルに入力して単に 右クリック→セルの書式設定 → 「日付」 としても
「1900/6/29」 と表示されるだけです。これは Excelのセル日付表示(シリアル値)
が、1900年 1月1日を起点として、この日を 「1」 としているからです。ではなぜ
6月30日ではないのでしょうか。それは 1900年は閏(うるう)年で、2月が1日多い
ので、1900年の181日目がちょうど 6月29日だからなのです。 つまり、1900年の
6月30日は、1月1日から数えてちょうど 182日目にあたるということになります。

では、2013年6月30日のシリアル値を求めてみます。セルに 「2013/6/30」 と入力
してから 右クリック → セルの書式設定 → 「標準」 とすると、「41455」 と出ま
す。この 「41455」 が 2013年6月30日のシリアル値です。 2013年は閏年ではなく
平年なので、41455-181=41274 が、2012年12月31日のシリアル値となります。
つまり 2013年1月1日のシリアル値は 41275、2013年の181日目の 6月30日のシリ
アル値は 41455 など、元期通日の日付に常に 「41274」 を足し算した数値をセル
の書式設定 → 「日付」 として変換すれば、2013年の年月日に正しく表示される
ということになります。

具体的には、Excel の数式を使用すると 簡単にこの変換をすることができます。
A1セルに元期通日の日付を入力し、B1セルに変換後の日付表示をさせたい時には
あらかじめ B1セルに 「=A1+41274」 と埋め込んで、 セルの書式設定 → 「日付」 
としておけば、A1セルに数値を入力するたびに、B1セルに瞬時に2013年の年月日
が表示されます。

     

参照 http://www.asahi-net.or.jp/~ei7m-wkt/numbr712.htm

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